無垢フローリングの塗装はどれがいい?~ウレタン、自然塗料、無塗装の比較~

無垢フローリングの塗装はいろいろありますが、一体どれがいいのでしょうか?代表的な3種類の塗装方法で、見た目、調湿作用、お手入れのしやすさなどを比べてみました。

比べるのはこの3種類「ウレタン」「自然塗料」「無塗装」

左からウレタン、自然塗料、無塗装

今回比べるのは、「ウレタン」「自然塗料」「無塗装」の3つです。(写真の樹種は国産クリです)

ウレタン塗装とは、ウレタン樹脂を含んだ塗料でコーティングするもので、無垢・複合ともに、フローリングの塗装としては最も多く採用されています。表面に塗膜を張るため、水や汚れをはじき、光沢が出ます。

自然塗料とは、原料に自然由来のものを使ったオイル系の塗装です。石油由来の原料を全くあるいはなるべく使わず、舐めても安全とされる商品もあり、自然派の人に人気があります。塗膜を張らないので木の調湿作用を残すことができます。(写真の塗料は、オスモカラーというドイツ製の商品です)

無塗装とは、文字通り塗装をせずに木の素材そのままを活かすもの。色や質感も木材そのものです。

塗装の種類によって、フローリングの見た目はどう違う?

左からウレタン、自然塗料、無塗装

塗装の違いでまずわかりやすいのが、見た目の違いです。「色」に関しては、ウレタンと自然塗料は木の色が少し濃くなり、木目もくっきりと浮き出ているように見えます。無塗装は木の色そのままなので少し白っぽく見え、年輪もすこしぼんやりしています。しかし、時間が経つとともに日焼けなどでどれも色が濃くなっていき、だんだんと差はなくなっていくでしょう。

次に「ツヤ」ですが、見た通りウレタンはテカテカ光沢があり、自然塗料と無塗装はほとんど光沢はありません。好みにもよりますが、ツヤのない落ち着いた感じがいい場合は、ウレタン以外がよさそうですね。

無垢フローリングの木が呼吸する塗装はどれ?

無垢フローリングのよさの1つに、木が湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用があります。それを妨げない塗装はどれでしょうか?ウレタンは表面に塗膜を張ってしまうため、木が呼吸できなくなります。手触りも冷たくひんやりとし、プラスチックを触っている感覚に近くなります。

一方、自然塗料は含浸といって木の組織にしみ込むタイプのオイルであるため、塗膜はできず木の呼吸を妨げません。もちろん無塗装も木の調湿作用はそのまま発揮されます。木の手触りやあたたかみも、2つとも木本来のままです。

よって、無垢フローリング本来の調湿作用や肌触りを大事にしたい場合は、自然塗料か無塗装がいいでしょう。

メンテナンスが楽な塗装の種類は?

ウレタンは硬い塗膜を張ってフローリングの表面を保護するので、物を落としたりひっかいたりしても、傷がつきにくいという特徴があります。また、水がしみ込まないので汚れもつきにくく、マジックペンの落書きもすぐに拭けば取れることもあります。ワックスがけなども不要ですが、もし深い傷がついてしまうとその箇所が白っぽく浮いて見え、補修もDIYでは難しくなります。ウレタン塗装といえども絶対に傷がつかないというわけではなく、一度傷がついてそこに水分などが入り込むと余計にダメージが目立つというデメリットがあります。

次に自然塗料は、水や汚れなどをはじくオイルを浸透させるという考え方です。傷を防ぐことはできませんが、汚れについては、水やお醤油などをこぼしても染み込む前にすぐにふき取ればひどい汚れを避けることができます。また傷や凹みができてしまった場合、その箇所に水をかけて布の上からアイロンを当てると木が膨らんで元に戻る場合があります。浅い傷はサンドペーパーなどで目立たなくすることもでき、DIYである程度修復できるのが特徴です。自然塗料の効果は年月とともに落ちていきますので、数年に一度塗装をかけ直す必要がありますが、その時も布などで自分で塗ることも可能です。

無塗装の場合は、傷や汚れをガードしないまま、経年変化に任せることになります。水や食べこぼしなどがシミになりやすく、歩行のこすれなどによる黒ずみもつきやすいので注意が必要です。そんな変化も味わいとして楽しめる方に向いています。

無垢フローリングのよさを失わない、おすすめの塗装はどれ?

私たちがおすすめするのは、無垢フローリングのよさである調湿作用や肌触り、あたたかみを失うことがない自然塗料です。自然塗料なら、無塗装に比べても汚れはある程度防ぐことができ、色や木目もくっきり浮き立たせ表情をいかすこともできます。DIYである程度の補修やメンテナンスも可能なので、長い目で見ても扱いやすいでしょう。

自然塗料の注意点としては、張ってすぐでオイルが馴染んでいない場合は少しにおいがあることや滑りやすいこと、ふだんの生活の中で傷や汚れに気を付ける(汚れを放置しない)ことなどがありますが、無垢の木本来の気持ちよさには代えられないものです。

考え方は人それぞれですが、CRAZY WOODでは、せっかくの無垢のよさをいかす塗装を選んでいただきたいと思います。自然塗料を施した無垢フローリングは、実際にショールームで体感していただけますのでぜひお越しくださいね。

無垢フローリング展示場(安芸市僧津)

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