無垢フローリング、日焼けしたらどんな色になるの?
自然素材である無垢フローリングは、太陽光を浴び続けると「日焼け」します。しかし、日焼けした状態の施工事例やサンプルを見る機会はなかなかありません。そこで、CRAZY WOODのスタッフが実際に無垢フローリングを日焼けさせる実験をしてみました。どの樹種が、どんな風に日焼けするのか?ご覧ください。
直射日光に当てること3か月・・・
今回の実験では、無垢フローリング(ウレタン塗装)のサンプルの一部を厚紙で覆った状態で、屋外で直射日光に約3か月さらしました。(雨の日は屋内に保管しました)
厚紙で覆われた部分は日焼けせず、覆わない部分が日焼けすることになります。たとえるなら、半袖Tシャツを着たむき出しの腕が日焼けして、Tシャツの跡がつく感じです。
ところで日焼け期間は約3か月と言いましたが、実際のお家では窓際以外で無垢フローリングが直射日光にガンガン当たり続けることはほとんどないので、実際にはたった3ヶ月でこんがり日焼けしてしまうことは稀だとお考え下さい。サンプルの日焼けの程度は、何年もの歳月が経っているイメージでご覧くださいね。
それでは、1つずつサンプルを見てみましょう。
スギ無垢フローリングの日焼け
※写真の←左側が日焼けしていない、右側が日焼けした状態→です。
日焼けしたスギの無垢フローリングです。全体的に色が濃くなっていますね。スギは特に、最初床を張ったときは赤身と白太の色の違いが目立ちますが、日焼けするとその差が目立たなくなり、床全体の色が馴染んで落ち着いていきます。
スギの無垢フローリングは、日焼けすることで欠点ともされる色のばらつきが目立たなくなり、そのよさが増していきそうです!
ヒノキ無垢フローリングの日焼け
白っぽい色が特徴のヒノキの無垢フローリングは、特に日焼けによる色の変化が目立ちました。せっかくの色白がもったいないと感じてしまいそうですが、この日焼けが年月を重ねるほどに、味わいのある飴色になっていくのです。落ち着いた趣のある和風建築が思い浮かびますね。
元々が色白だと日焼け跡がくっきりするのは、人間と同じですね。
ナラ無垢フローリングの日焼け
いわゆる「オーク」とも呼ばれるナラは、元々はグレーがかった落ち着いた色合いですが、日焼けするとオレンジっぽい茶色になっていました。また、年輪は目立たなくなりますが、ナラの特徴である細かい筋のような模様はそのままくっきり見えています。
日焼けしたナラは、より温かみがあり、親しみ深い印象に変化していきます。
クリ無垢フローリングの日焼け
黄色っぽいマロン色が特徴の、クリの無垢フローリング。日焼けすると、オレンジがかった茶色に変化します。元々落ち着いている年輪は、そのままの感じで残っています。
クリの床は明るい印象になるのですが、年月が経つとだんだんと落ち着いた色合いになっていきそうです。
クルミ無垢フローリングの日焼け
ウォルナットとも呼ばれるクルミの無垢フローリング。日焼けするとイエローがかった色に変化し、細い筋のような年輪が目立たなくなっています。かなりシンプルなやさしい印象に変わっています。
家具材にも使われるクルミは、時間が経つほど暮らしに馴染んでいきそうですね。
ヤマザクラ無垢フローリングの日焼け
最も複雑な変化をしたのが、ヤマザクラの無垢フローリングでした。日焼けして、色が濃くなっている部分と、明るくなっているように見える部分と、両方あります。サクラの特徴であるピンクっぽい印象は少し落ち着いています。
歳月を経ても、ランダムな変化がますます楽しめそうなヤマザクラです。
住む人とともに、年を重ねる無垢フローリング
いかがでしたか?一口に無垢フローリングの「日焼け」といっても、樹種によってさまざまな変化をすることがわかりました。これを参考に、床選びの時には、5年後、10年後の色のイメージもしておくとよさそうです。
ちなみにですが、複合フローリングも同じように実験してみました。
このように、見事に日焼けしています。よく考えれば、畳やカーテンなども時間が経てば日焼けしていきますから、絶対に日焼けしない無敵の素材というのは、存在しないのかもしれません。
無垢フローリングの“欠点”ともいわれる日焼けですが、本物の木である無垢材の経年変化は、どれも“味わい”とも感じられます。木の家に暮らす私たち自身も年をとっていきますが、その時、家の素材も一緒に年齢を重ねているのって、なんだか味のある風景だと思いませんか?
無垢フローリングの「日焼け」、お家づくりやリノベーションの時に、参考にしてくださいね。